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他店が行ったMBT修理の続きです。

早速「つり込み部分の縫い糸がどうのこうのと書いてあるけど、何のことかさっぱり分からないぞ。」とお叱りの言葉をいただいたのですが、こういう事です。



他店が取り付けていたソールを剥がすと、短冊状の豚革片がこのように貼られていました。
(革片を一度剥離し、業者が貼り付けた目的を確認した後に、元の位置に置いて撮影したため、写真では革片は剥がれた状態になっています)





革片が貼られていた箇所の縫い糸が、グラインダーでの切削作業で削り取られています。




同じ靴の反対側も、同様に削り取られていることが判ります。 



    

他店作業で削り取られてしまった部分を縫い直し、元に戻す復元作業を行います。



縫い直し作業完了です。




他店の作業で広範囲に削り取られてしまった部分も縫い直していきます。




修理用ミシンを使用し、縫い直せば完了です。


と、この様につり込み部分をめくった上で、修理用ミシンでアッパーの革部分とフェルト地のつり込み部分を縫い直せば良いだけですし、縫い直した後でつり直せばよいだけの、業界歴数か月の人でも出来る至極簡単な作業です。


なのに、この業者はなぜ革片を貼って終わりにしたのでしょうか?

ここからは推測ですが、この業者にはこんな感じのバイアスがかかった性だと思います。


・千鳥縫いで縫ってある縫い糸は切らない様に、ポリウレタン材を削り取るぞ~~
     ↓
・あ~~、しまった!!! 手元が狂って縫い糸をザックリ削ってしまった・・・
     ↓
ミシンで縫えば戻せるけど、手間もかかるし割に合わないぜ
     ↓
考えてみれば、元々釣り込みなんてボンドで貼ってあるだけじゃないか。革片で貼っても効果は同じだろ
     ↓
どうせ見える部分じゃなし。ソールの仕上げさえ綺麗にしときゃ、こんな所は誰にも分かんないのさ♪
     ↓
・「業界歴〇5年の確かな腕」がある俺って、マジすごい!!!
 

という感じでしょうか。

ちなみに、「つり込みはボンドで貼ってあるだけだろ!」
という部分、製法からすればその通りだと思います。

負荷のかかるつり込み部分を、わざわざフェルト地に換えて縫い付けしている理由を無視すれば。の話ですが。



でもねぇ、元々縫ってある千鳥縫いを糸切れさせないように削り、しかも失敗して縫い糸を切った箇所には革片を貼ってあったという事は、『切ったらだめだ』という意識のもとで作業し、失敗したので慌ててボロ隠しをしたという推測しかできないんですよねぇ~。

『縫い糸なんて削り取っても構わねえんだよ。』『革片を貼り付けても強度は同じ』という考えだったとすれば、一気に削り取ってから革片をぐるり貼り付けた方が、逆に手間はかからず作業も早いんです。

なのに、わざわざ千鳥縫いを残す様に削りながら、うっかり削り取った部分だけ革片を当てる修理をしたっていうのは、一体どういう理由からなんでしょうかね?

修理用ミシンを持ってて靴の構造も熟知している方が、うっかり失敗して削り取ってしまったというのなら、何も革片なんて貼ることせずに縫い直しすりゃいいじゃないですか。

もし『革片を貼ったほうが良く留まるんだよ』というのなら、わざわざ細切れに繕うのではなく、全周に革片を巻かなかったんですか?と問いたいです。


あと、写真にチラチラ写っている、業者が後付した鋼製のシャンク、これもどうだろ~~と思うんですが、この修理業者に因って元の樹脂シャンクを捨てられてしまった以上、うちではシャンクに関してはどうしようも出来ません。




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