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全国展開している登山用品店Kで購入したLOWA軽登山靴をKにて修理してもらい使用を続けていたが、補修された箇所が傷んできたため当店にてオールソール交換作業を行おうとした際に確認した、Kの下請け修理業者により起こされていた構造破壊の事例です。











このタイプの場合、インジェクション製法でソール部分が作成されていますが、Kで修理した際になぜかふち巻ゴム(ラウンドラバーと言われているもの)が貼られており、その下部にビブラム製カップソールを取り付けてありました。

この追加で取り付けられたふち巻ゴムにひび割れと剥離が起きている為、全交換を行うべく分解を進めていきます。




カップソールを取り外してみると、元々この登山靴にはソール全面に樹脂製のシャンクが入っているはずなのですが、元あるはずのシャンクは無く、なぜか追加でパルプボードが貼り付けてありました。
これは何らかの理由で再使用出来なくなった元のシャンクの代わりに用意した、新規カップソール材のシャンクがそのまま取り付けると中底から靴内に飛び出してしまうため、飛び出さないためのガードの役割として貼った様です。




この新規に付けたソールを取り外した上で、他店が言うラウンドラバーを分離しようとすると、本来縫い合わせてあるはずのアッパーと中底の縫い糸は全て断裂した状態でした。










元々ポリウレタンのソールはインジェクションで一体成型している為に、普通の作業方法では靴本体との分離作業が難しいと言うのはありますが、グラインダーで見事に全周を削り取って縫い糸を断裂させ、そのごまかしにラウンドラバーを貼っていたというのは、ただただ閉口するだけです。


それでも「縫い糸なんて切っても問題ない」と言う業者や関係者がいても、それは個々の自由な考えなんですし、街中を歩いて靴が壊れても死ぬことはないでしょうけど、けど、山の上で登山靴が壊れたら最悪お客様は死にます。



関わった業者や関係者は絶対に死にませんが、最悪お客様は死にます。
ただそれだけのことです。




中底と靴本体を縫い付けて、いわゆる足袋のような袋状に縫製してある物の縫い目を断裂させれば、はじけてしまって足を保持できなくなることは、靴も作っている業者なら判っているのが当然な訳で、断裂させてしまった縫い糸を何らかの形で縫い糸を補修してあるか、最低でも試みた跡がみられるもんです。

くつのプロと言ってみたり、くつが何チャラだとか語ったりしてないで、自分の所がどんな修理してるのかくらい判ったうえで、それでも問題ないという考えでしたらいくらでも語ってください。
あと縫い目がどうのとか言ってないで、逆に縫い糸切っても問題ナッシングと言うべきじゃないかと思ったりもします。


まあ、自分の知らない内に従業員が勝手にしていただけで、自分に責任はないと言うのは、世の中の定番ですけどねっっっ。





さあ、貴方は無責任な人に寛容ですか?


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登山靴 SIRIO のオールソール作業中に確認した事例です。




購入先の販売店に修理依頼を出してメーカー修理を受けたとの登山靴ですが、内部のPU材が年数経過により崩壊したため、当店にてオールソール作業を行います。

この修理作業の際、ソール分離中に重大な問題が確認できたため、写真を上げております。


問題について:

登山靴アッパーのつり込み部をグラインダーで削り取ってしまっており、前足部の釣り代が無くなっている状態であった





前足部の両側共に、つり込み代が削り取られて完全になくなっている状態


ソール面にも釣り込まれたアッパー材が付着しておらず、また劣化したPU材とソール材の間にも挟み込まれていないため、釣り代は削り取られたことが判る



中底の状態から、前足部はアッパーのサイド部分だけで接着固定されていたことが判る



左足も釣り代を両側共に削り取ってあったが、内足部のみ補強として革を貼った跡が見られる







グラインダーで削った痕の粒度と切削痕が側面及び底面共に一致する点から、修理業者がオールソール交換時に削り取ったものと判断した




実際にはメーカーが修理を行っている訳ではないのですが、販売店の説明によればメーカー修理とのことです。

この修理をしたというメーカー(実際は下請けの修理業者)が、一日何十足も修理をしている内にこの様な内容でもばれなきゃ良いと言う感覚に陥ってしまったのか、こんな内容の作業方針で経営者が従業員を労働させているのであれば、ゾッとします。



普通は修理後の内部状況なんて見えやしませんから、どうやっておいても判りゃしないよという考えなんでしょうが、こんな修理してあるの見たらちょっとねぇ~~~

発注元が定期的に修理現場に入って作業内容をチェックするとか、下請けの側も雇用者の待遇を良くしてあげることで修理の質を上げましょう。



いや、質というよりもモラルというか、これが当たり前という環境自体ヤバいと思わないといけないんですが、まあほんとに思ってたらこんなことを未だにしているとかあり得ませんよねぇ・・・


ちなみに、自社グループで販売した靴の修理だけをしている自己完結型でしたら修理の内容もへったくれもないのですが、一般的な靴修理店だと前回他店で修理された靴の修理依頼って結構来るんですけどね。

そうすると、上記の様なうわぁ~なレベルもかなりの確率であるんですけど、業界の掟というか暗黙の了解として他店の不良内容を上げてはならぬのです。


なぜなのか、勘のいい方ならもうお解かりですね。


自分のとこも同じようなことしてるから上げられないんです。

まあ、ぶっちゃけるとそういう業界です。


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ザンバランの靴ひも用金具交換事例です。



金具の取り付け部が革の劣化により取れかかっているため、金具取り付け部分の補強と金具本体の交換作業を行います。




劣化により裂けてしまった箇所を補強材で補強した後に、同系色の革材を貼り付けてから縫い締め、金具を新たに取り付けました。


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登山靴「スカルパ」のオールソール例です。





加水分解により、ミッドソールが崩壊しています。





かかと部分は完全に崩壊し、アウトソールは外れかかっている状態です。





ミッドソールをEVA材で作り直し、アウトソールを取り付けて修理完了です。

今後はアウトソールのみ交換が可能です。



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マムート登山靴の改造例です。

新品登山靴の足趾関節が当たるとのことで、幅出しをする改造を行いました。




伸長器にかけてもほとんど意味が無いので、ソールを剥がして強制的に容積を増やす方法を採ります。




両足共にソールを剥がします。
この後釣り代をずらして靴内容積を確保しますが、単にずらせば良いというわけではありません。




剥がしたソールを貼り直して完了です。
実際には靴製作の知識と靴修理の技術が必要な作業なのですが、内容的には普通の靴修理が出来る業者であれば簡単に出来る内容ですので、お近くの普通の靴修理店に相談されるのも良いかと思います。


ちなみに、別件でこういうご依頼もあります。




夏の農作業などで使用する日除け具のバックルが割れたので、交換して欲しいとのご依頼です。




爪が片方折れてしまいました。




厚みのある強度の高い部品に換えました。
明日には仕事で使われるとのことなので、即日対応させていただきました。

今年の夏も暑いので、熱中症にはお気を付けください。



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